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モダンアート市場の活況による価格上昇トレンドと購入の奨め

購入価格から800倍の16億円の事例も。空間計画の要素、モダンアート価格が高騰中

GARDEで手掛けるレジデンスやホテル、ラグジュアリーリテールのプロジェクトにおいて空間計画の1要素としてモダンアートを用いる事は少なくありません。
今、そのモダンアートが高騰しています。

最近のニュースでは「福岡アジア美術館」所蔵作品の価格が高騰し、購入時の800倍の16億円に値上がりした作品もあります。他の未展示の所蔵品も軒並み値上がりし、展示の新たな目玉になり得るであろう、それらは展示場所の不足から一般公開ができないという事態になっており、解決策としてWEBサイトでの展示も検討されています。この場合、鑑賞体験の価値においてはモニター越しよりもVRゴーグルなどの使用でより没入感のあるメタバース美術館の活用は有効かもしれません。

出典:COCOWARP

価格高騰にはいくつか理由がありますが、もともと富裕層の資産ポートフォリオでは1割程度を長期で持つ、といったセオリーがあり、そこにインフレや円安、新富裕層の参入といった要素が同時発生しています。また、アートのNFT化など技術の進化によって、より安心して購入できるなど参入障壁が下がっており、今後益々の活況を見込んでいます。

国内の売買でもメルカリなど販売チャンネルの豊富さと利便性からアートの流通が増加、展示会で1000円前後だったポストカードが、作家の逝去後に価値が上がり、30000円以上で取引されている事例もありました。

とはいえ、最初から投資的価値を期待するというよりも、長く愛着をもって保有できる心の資産としてモダンアートの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。過去に購入したことがない方には、ご自宅や仕事場などのインテリア用に金額の多寡に関わらず「何となく惹かれた」アートを先ずは購入してみることをお勧めしたいと思います。

昭和リバイバル:日本の懐かしい昔の魅力を探る

1926年から1989年にかけての昭和時代は、日本の黄金時代としばしば称されます。この期間は昭和天皇の在位期間全体にあたり、文化的および社会的な大変革を目の当たりにした時代でした。「昭和レトロ」という言葉は、この過ぎ去った時代のノスタルジアと魅力を反映しており、近年では再び脚光を浴び現代の人々を魅了しています。このトレンドは、ファッションやデザイン、料理芸術からエンターテインメントに至るまで、日本の生活のさまざまな側面にスポットを当て、今なお続く豊かな文化的背景を提供しています。

昭和レトロとは

昭和レトロとは、昭和時代の雰囲気と現象を凝縮し、シンプルさと活気を兼ね備えたデザインが特徴です。この美学は、ファッション、建築、日用品などに現れ、伝統とモダンが混在する時代を反映しています。その魅力は、生活がより単純でコミュニティに焦点を当てた時代への郷愁にあり、懐かしさを感じさせます。

歴史的背景と発展

昭和時代は、日本にとって大きな変革の時期でした。第二次世界大戦へと突入し、戦争による荒廃と苦難を経て、戦後は劇的な経済成長と近代化の時代を迎えました。特に1950年代から1970年代にかけての期間は、昭和レトロ再燃の焦点となっています。この時期、日本は飛躍的な技術革新と繁栄を遂げ、現代の贅沢品と利便性に満ちたライフスタイルが確立されました。

多くの困難があったにもかかわらず、この時代はコミュニティの精神とレジリエンス(回復力)も特徴的でした。日本がデジタル時代に移行する中で、当時の日用品や文化的な遺産は次第に色褪せていきました。しかし、最近になって再び関心が高まっているのは、過去のシンプルさと職人技に触れたいという人々の願望が表れているからです。

大衆文化における昭和リバイバル

過去10年間で、昭和時代への関心が着実に高まっています。かつては「ダサい」と見なされたものが、今ではレトロシックとして受け入れられています。このノスタルジアの波は、ファッションやメディア、旅行に至るまで、現代文化のあらゆる側面に浸透しています。2005年公開の映画「ALWAYS 三丁目の夕日」とその続編は、昭和時代のロマンチックなエッセンスを捉え、観客の多くが心を打たれました。最近では、NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」が同様の感情を喚起し、この時代の可能性と意欲を強調しています。

昭和ノスタルジアを活用するビジネス

ビジネスもこのノスタルジックな関心を活用し、昭和をテーマにした遊園地やショップを展開しています。お台場や柴又では、昭和30年代をモチーフにしたテーマパークが訪問者を惹きつけ、昔を懐かしむ体験を提供しています。池袋や横浜の昭和風の甘味処や、レトロなバーやカフェは、その時代の本物の味を提供しています。熱海や青梅などの地方では、保存された文化的ランドマークやノスタルジックな雰囲気を利用して昭和遺産をアピールし、観光客を惹きつけています。

昭和レトロの現代的魅力

昭和レトロの復活は、急速に進むテクノロジー主導の現代社会への反動と見なすことができます。安定感と親しみやすさを提供し、よりシンプルでコミュニティ重視の時代への逃避を促します。経済の停滞と先行きの不透明さに直面する若者世代は、楽観主義と集団的努力の時代に目を向けることで心の安らぎを見出すことができます。この傾向はますますデジタル化が進む時代において、触覚的で具体的なものを求める人々に多くの共感を呼んでいます。

レトロスペクティブ比較: 大正ロマンと平成レトロ

昭和レトロは、昔の日本を異なる時代を通じて探求する広範なトレンドの一部です。大正ロマンは、大正時代(1912年〜1926年)を対象とする言葉で、西洋と日本の美学の融合で知られ文化的実験とロマン主義の時代を反映しています。この時代の彩度を抑えた色調と緻密なデザインは、ノスタルジックでありながら洗練された魅力を提供しています。

一方、平成レトロは1989年から2019年の期間に焦点を当てています。この時代は、著しい技術の革新と文化の転換が顕著でした。西洋における「Y2K」スタイルやファッションの広がりに匹敵するものとして、平成レトロは原宿ガールズ、平成ギャル、ビジュアル系など、この時期を定義した文化的トレンドと技術革新を称え、日本の急速な進化に対する独特な視点で振り返っています。これらのジャンルは共に、日本の文化的景観の豊かな側面を提供し、それぞれが独自の特徴と重要性を担っています。

昭和レトロは昔の日本への架け橋となり、懐かしくも活気に満ちた過ぎ去った時代を覗く機会を与えてくれます。その人気の高まりは、昔ながらのシンプルさと本物への憧れを象徴しています。昭和の美学と価値観を取り入れることで、現代社会はインスピレーションと安らぎを見出し、今なお影響を与え魅了する文化遺産と再びつながることができるのです。この再燃は、日本の豊かな歴史を称えるだけでなく、複雑な現代社会に対する意義ある対抗策ともなり得ます。

LA発、日本国内で手作りのラグジュアリーアロマキャンドルで至福の時を過ごす

ローズクォーツ含有のアロマ マッサージキャンドルとは?

ローズクォーツはピンク色の石英で、和名は「紅水晶・紅石英・バラ石英」です。10月の誕生石で、石言葉は、美や愛。その為、欧米では「ラブストーン」と言われており、パワーストーンとして人気で「愛を育む石」として恋愛成就のお守りともなっています。

また、愛情運や良好な人間関係に効果があるとされ、職場のコミュニケーションを円滑にすることから、仕事運UPにもつながると言われています。極限までパウダー状に加工したローズクォーツをオーガニックオイルやワックスと配合し、アロマキャンドルとして愉しむだけでなく、マッサージオイルとして使うことができます。半貴石を直接、身にまとい、豊穣な香り、揺らめく炎を楽しむ時間は、かけがえのない経験、そして特別な習慣になることでしょう。

また、一般的なアロマは、アルコールや水などを含有するのに対して100%天然香料の精油のみを使用しているのも特徴の1つです。

ラインナップとしては現在、ローズベースの精油+ローズクォーツの組合せの他に、ラベンダーベース+ムーンストーン、マンダリン(柑橘系)ベース+フローライトパワーストーンがあり、中でも当稿で取り上げたローズが一番人気との事です。

炎を乱反射するガラスの煌めき、オクタグラム(八芒星)※がモチーフとなっている内蓋の織り成す光と影は幻想的で、時を忘れて魅入ってしまいそうですね。
※八角形の図形で完全性や再生、無限の循環などを象徴し、幸運を呼ぶとされています。

プラスαのこだわりで、空間が「居場所」として完成する

オンオフ問わず、生活していく上でインテリアの果たす役割は大きいと考えています。 効率を上げたり、安心感を与えたり、とその空間がもとより備えている機能性「インテリアデザイン」に今回ご紹介したアロマキャンドルのような嗜好性の高い要素を加える事で「空間」は、はじめて「居場所」に変わる、といえるでしょう。

出典: i- store (i-life-steering.shop)

GARDE公式HP:https://garde-intl.com/
GARDEデザインマガジン:https://www.gardedesignmagazine.com/

GARDE for 『ハイアット ハウス 東京 渋谷』多様性の街 SHIBUYAでアート探訪

施設のプラスアルファの魅力を発見 「アート鑑賞」

ハイアット ブランドの1つ「ハイアット ハウス」の東京初進出となる「ハイアット ハウス 東京 渋谷」は、100年に一度ともいわれる渋谷駅中心地区の再開発プロジェクトにおける主要施設の一つ、「Shibuya Sakura Stage」内に2024年2月にオープンしました。GARDEは施設の共用部から客室全般の基本計画、基本設計、実施設計、設計監修、アートコーデイネート、調達設置、サイン基本計画を担当させていただいています。総部屋数は125室で全室内にキッチンやオーブンレンジ、食器やカトラリー、洗濯乾燥機を有しており、渋谷の街の多様性からインスピレーションを受けたアート等も配され、最新の施設で暮すように滞在する事が可能です。

今回はこの魅力的なプロジェクトからエントランスなどの共用エリアに配されているアートを中心にご紹介します。通り過ぎるだけではもったいない、アートミュージアムを訪れたかのような創造的で豊かな時間を体験できることでしょう。

まずは、3階のエントランスエリアにある、ラファエル・ローゼンダール作 「Into Time 14 06 06」。このレンチキュラー作品(見る角度によって異なる見え方をしたり、立体的に見える特殊なレンズ加工を施したシート)は、2013年にNYで発表以来シリーズ化されています。鑑賞者の動きに応じて変化を見せ、人が往来するエントランスエリアには最適な作品といえます。

そのまま右手のエレベーターホールに向うと通路の壁面にラグジュアリーブランド「ロエベ」とのコラボレーションで話題になっている作家fumiko imanoによる写真作品群が並びます。35mmカメラで撮影したセルフポートレートを切り貼りして作家自身が双子のように見えるフォトモンタージュのシリーズ作品です。下の画像では見難いと思いますが、彼女のどこか微笑ましくもファッショナブルな作品達を施設ご利用時にお楽しみ下さい。

また、2階のエントランスエリア側からエレベーターホールに到着すると、映画『浮雲』に登場する 「空」を再現したミクストメディア作品で、グーグルマップのストリートビュー画像を素材に電線やパノラマ画像のつなぎ目などの歪みを可視化した、姉弟ユニット「SHIMURAbros」の作品 「TRACE-SKY-Floating Clouds 08」に出会えます。見入ってしまい、エレベーターを乗り過ごさないようにご注意ください。

ロビーフロア16階に到着し、エレベーターを降りて正面に見えるマルチファンクションルームの前には、藤本由紀夫のオルゴール作品「V.-6-GREEN」「V.-9-GREEN」が2点並んでいます。
右側は9台のオルゴールがそれぞれ一音だけが鳴るようになっていて、左側は「星に願いを」などを奏でるオルゴール6台が内蔵されており、これらは鑑賞者がそれぞれのゼンマイを廻して同時に鳴らすことで一期一会のオリジナルメロディーを奏でる事が可能となっています。

次にロビーフロアをフロント方面に向かうと左手にロサンゼルスを拠点に活動しているアーティスト、デイヴ・ムラーによる作品が見えてきます。作家が所有する古いレコードのデザインから着想され、プライスタグや廃盤になったレコードのラベルまでが細かく独特の味わいをもって再現されています。日本の作家だけで構成されていないあたり、ここでも国際的な渋谷の多様性を感じ取れると思います。

デイヴ・ムラー作品の反対側に目を転じてみるとフロントカウンター上には、トレンド再燃中の三島喜美代のセラミック作品2点が風景に溶け込むかのように配されています。手前は、ダンボールに入ったコカコーラゼロを模ったセラミック作品「Box Coca Cola Zero 22-3」、奥には新聞をシルクスクリーンでセラミック素材に転写した「Newspaper 20-6」がエレガントかつ、冗談のような自然さで、気付かれたゲストだけに極上のアートエンターテイメントを提供しています。

さらに奥に進み、メインダイニング「MOSS CROSS TOKYO」の店内。 メキシコ拠点のガブリエル・リコによる刺繍作品は、緻密かつ大胆に描かれ、フォークロア的な懐かしさをも感じさせる、優しく洗練された作品です。

宿泊室があるフロアの各エレベーターホールには、被写体の表面に直接水性ペンで線を描いたものを撮影した石場文子によるシリーズ作品、「2.5」を展示。
三次元の対象物を二次元の線で閉じ込めてから写真撮影することで物体のユニークな存在感を楽しめる作品となっています。
該当フロアの利用者以外が自由に鑑賞出来るエリアではありませんが、複数回ご利用時に都度の楽しみとしたり、エレベーターを降りた際に自分の宿泊階であることをナッジ的に示す効果もあったり、とアートの持つ独自性をサービスに活かすスマートな仕掛けとなっています。

同じく石場文子による「2.5」シリーズ。2次元と3次元の間の不思議な感覚と前進色のオレンジを背景とすることで起こる距離の錯視感も魅力といえるでしょう。

泊まる、食事する、買い物をするだけではないパーソナライズされた文化的で豊かな体験に

ハイアット ハウス 東京 渋谷の魅力は、提供されるサービス以外にゲストが街全体と融合し、アートや音楽、ファッションなどのカルチャーと渾然一体となれるところにもあるのではないでしょうか。本稿では特にアートにフォーカスしましたが、それ以外のユニークな魅力を今後もご紹介していきたいと考えています。

■ハイアット ハウス
https://www.hyatt.com/ja-JP/brands/hyatt-house
■ハイアット ハウス 東京 渋谷
https://hyatthousetokyoshib
■GARDE公式
https://www.garde-intl.com/

お寺に泊まる文化体験「宿坊」のいろは

寺社に宿泊しながら日本の伝統文化を体験することができる場所「宿坊」。
この記事では、宿坊の魅力ついて紹介していきます。

宿坊の起源

遡ること平安時代(794〜1180年)。宿坊は寺社へ参詣する貴族への宿泊施設として誕生したことが起源と言われています。その後、鎌倉時代~江戸時代(1180~1868年)という時の流れを経て、僧侶や参詣者のための宿泊施設から、一般庶民にとって馴染のある娯楽へと変化していきました。
そして昨今、宿坊は現地民だけの居場所ではなく、海を越えて外国人観光客の異文化体験としても人気を博す施設となっています。

宿坊の見どころ

一般的な宿泊施設とは異なる宿坊。その魅力はやはり、お勤めや修行、精進料理などの非日常的な文化体験を味わえることでしょう。
施設により内容は異なるものの、宿坊での体験は以下のような例が挙げられます。

・お勤め-僧侶によるお経の読みあげ。ご先祖供養や家内安全を祈念する儀式。
・瞑想-心を静め呼吸を整えることでリラックスした状態を作る。
・座禅-姿勢を正して坐った状態で精神統一(瞑想)を行う。
・写経-お経の書き写し。一文字ずつ丁寧に写すことが大切。
・写仏-仏さまの絵図を下絵に描き写しを行う。
・滝行-滝の水流を全身に受けることで心身を鍛錬する修行。
・精進料理-仏教の教えに基づく、肉類、魚類を使わない植物性の食事。

これらの体験は非日常という特別感だけでなく、体験者の心身にも良好な効果をもたらします。
写経、写仏などの作業は集中力を高め、瞑想や座禅はストレスや不安の軽減により心を落ち落ち着かせる働きがあります。また世界でも注目されている精進料理は、野菜中心の料理であることから栄養バランスに優れたメニューが豊富なことでも知られています。

歴史が創り出した唯一無二の空間

日本最古の寺院は1400年の歴史を持つと言われています。日本の伝統建築である社寺建築は一度建築すれば500年は存続し、地域に根付く歴史的建造物として長く愛されていきます。このような長い歴史を育み、その寺院ならでは魅力を創りあげていくのです。

宿坊を通じて、寺院の中には、普段は拝観できない重要な文化財を見る機会や体験するプランを用意しているところも数多くあります。
間近で歴史・建築・芸術に触れ、その中で寝食するという体験は五感を研ぎ澄ませ、自身と向き合う好機ではないでしょうか。

さいごに

日常の喧騒から離れ、静寂な空間で心身を癒す宿坊。
修行体験や精進料理などの日本文化の学びの場として、また、自然に囲まれた環境の中でゆったりとした時間の流れを感じてみるのも宿坊ステイの醍醐味です。

Webメディア「タビイコ」では、提携している市町村と共に地方の観光資源の発掘・育成・発信を行っています。ぜひチェックしてみてください。
Official website: https://www.tabiico.com/
Instagram: https://www.instagram.com/tabiico_adf/

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