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世界最大規模の家具見本市ミラノサローネ2021開催。GARDEは展示&プレゼンを行いました!

2021年9月5日から10日にかけ開催された 『Salone del Mobile.Milanoミラノサローネ国際家具見本市(以下、ミラノサローネ)』。ヨーロッパ中のメーカーやデザイナーが一同に会し、その年のデザイン・トレンドがどこよりも早く発信されるなどインテリアデザイン界で最もエキサイティングなイベントと言われています。

新型コロナウィルスの影響もあり開催が危ぶまれたが感染拡大防止のための各種ガイドライン順守を条件に開催となりました。

会期中、GARDE Italyオフィスにて展示、大型案件を中心とした最新の実績に関するプレゼンを行いました。GARDE Italyブースには100人を超える業界関係者にご来場頂き、(会場の外にも列ができるなど)大変熱い時間となりました。

レセプションでは、イタリアの美味しいドリンクや軽食を頂きながら、国内外の業界関係者の皆さまと大変貴重で有意義な交流を持つことができました。

ここでは、ほんの一部となりますが『ミラノサローネ2021』の様子をご紹介致します。

◆イベントの様子


GARDE Italyブース。多くの皆さまにご来場頂きました。

◆展示の様子

パネルやモニターなどでGARDEの最新実績をご紹介しました。

毎年、GARDEではミラノサローネ開催期間中、世界各国の業界関係者向けに数々の企画を実施しております。来年もまた、たくさんの皆さまに向け最新のGARDEをご紹介させて頂きます。

中国の百貨店およびSC関係者を対象に行われた「寧波阪急サロン」レポート

2021年4月16日にオープンした阪急百貨店の中国第一号店「寧波阪急」。クールジャパン機構のもとに展開されるプロジェクトのひとつとして、2017年のスタート以来、さまざまな紆余曲折を経、実に4年の歳月を費やし開業に到りました。GARDEは本施設の外装および施設内デザインを手掛けました。

これまで2008年開業の西宮阪急、2011年開業の博多阪急、2012年にはうめだ本店の建て替え開業と、いくつもの開業プロジェクトに携わってきたGARDEは、今回『百貨店の強みと SC の強みを併せ持つ中国初の体験型 “デパートメント・モール”』をコンセプトに、新しい商業施設の創出を実現。大型商業施設としてはこれまでに例を見ないほどの好調なスタートを切り、その注目度は日々高まりをみせています。そこで業界内からの熱いリクエストに応え阪急百貨店が、2021年5月28日「新たなスタイルの商業施設開発成功の鍵」についてセミナーを開催。現地の百貨店およびSC関係者約80名が参加する中、コンセプトワークからデザインを手掛けたGARDEもプレゼンテーションを行いました。

当日はデザインディレクターを務めた、山本豊が日本からリモートにて登壇。こちらでは、山本が語った寧波阪急のデザインについて一部ご紹介します。

◆以下山本豊スピーチ内容を抜粋

• コンセプト
コンセプトづくりにあたり、念頭にあったのは大きく2つのことでした。一つ目は、寧波は今後まだまだ開発が進む新都心エリアであることから、人々が集い、心地よく過ごせるオアシスのような場所であること。二つ目はジャパンコンテンツの発信。それは単に日本の伝統的文化をそのまま表現するのではなく、モダンに昇華したデザインとして取り入れることです。
そこから生まれたコンセプトは「J FOREST GARDEN」。コンセプトの中身は「J CULTURE」=日本の伝統文化、「NATURE」=自然モチーフ、そして「MODERN」=現代的の3つの要素です。

• フロア展開
寧波阪急の売り場面積はうめだ本店の約2.5倍。広い売り場をお客様が飽きずに回遊いただけるような全館の空間構成にとことんこだわりました。
1フロアがあまりにも広すぎるため、1つの世界観だけでは退屈させてしまう可能性があります。そこで、3つのゾーンに分けることで回遊する楽しさを創出。各ゾーンの中島エリアは、導線にとらわれないダイナミックな天井デザインを施すことで、ゾーンの変化を強調しています。

また横方向だけでなく縦回遊の楽しさを演出するため、フロアごとに異なるデザインテーマを設定し、縦に広がる異なる世界観の体験が楽しめる空間を演出。中央ゾーンに位置する2F~3Fの吹き抜けで繋がる広場や、館全体の目玉でもある4F~7Fの慶典広場などを縦軸の中央コアと位置付けました。4F中央ゾーンの吹き抜け空間(慶典広場)に設置した直径28mの巨大木組ドームは、日本建築の伝統技法の木組技法から着想を得、日本の伝統技法をモダンに昇華してデザインしました。この慶典広場は大階段でお客様が寛いだり、世界の様々なモノ・コト・文化を発信する大掛かりなイベントを行うなど、館の中心的な場所です。このドームを目当てに人が集まり、それぞれの記憶に刻まれる象徴的な空間になるようデザインしました。

4F中央ゾーンの慶典広場

• 外装デザイン
お客様を迎え入れる外装デザインは、「J FOREST GARDEN」の象徴である自然の豊かさやホスピタリティを感じていただける、印象的でなおかつ親しみが持てるデザインを目指しました。
上層部のカーテンウォールは、自然をモチーフに『水と森』をイメージし、流れる水や森を大きくとらえた時の山々の稜線など、自然で柔らかい流線形を表現しています。また光の演出により、陰影が美しく浮かび上がるよう設計されており、新都心の街のアイコニックな景観になっています。
下層部は森の木々をイメージして、枝葉を石のパターンでモダンに演出。人の目線の高さを意識して、上層部のダイナミックな表現から、ヒューマンスケールにデザイン手法を切り替えています。
寧波阪急の顔となる南北のエントランスは、阪急百貨店のDNAとも言うべき阪急エレガンスの象徴でもあるファサードを取り入れ、上質な阪急らしさを表現しました。
阪急百貨店のDNA(波、花々、星)をモチーフにした特注レリーフと、砂岩(クレママーフィル)で構成される、エントランスファサードデザインは、阪急うめだ本店の建て替え時に、阪急百貨店と共につくり上げたデザインで、阪急らしさを未来につなぐ大切な要素です。

外観

デザイン構成、導線の作り方、空間構成、色々な意味で今回のプロジェクトは、今までの阪急百貨店デザインの集大成となる大プロジェクトでした。
日本で育んできた歴史と伝統を昇華させ、寧波の地に誕生した寧波阪急。これからどんな新しい歴史を刻むのか、各方面からますます注目が集まっています。

物件情報: 
所在地: 中華人民共和国浙江省寧波市鄞州区海晏北路189号
商業延床面積: 17万6000m2(地上6階-地下1階)
テナント数: 380店舗

業務内容: 外装デザイン、内装デザイン

デザインディレクター
山本 豊 Yutaka Yamamoto
デザイン事業本部 デザイン1課 ディレクター
百貨店等大型商業施設・環境デザイン及びディレクションを中心に活動。阪急うめだ本店建替えプロジェクトでは売場環境デザイン、西宮阪急では統括ディレクションを行う。銀座三越全館改装では3・4Fのデザインを担当。海外ではソウルのDOOTA全館改装、PARKSONジョホールバル新店などを担当。2019年には新宿伊勢丹5F Watchエリアを担当。2021年開業の寧波阪急では統括デザインディレクターを担当するなど国内外の大型商業施設でのデザイン経験を豊富に持つ。

ポストコロナのオフィスデザインについて ~エグゼクティブ オフィサー兼ディレクター クリストファー・ブルックス 4/21「 Roundtable by The Japan Times」より~

先日行われたThe Japan Times主催のトークイベント「Roundtable by The Japan Times」に、GARDE エグゼクティブ オフィサー兼ディレクター クリストファー・ブルックスがゲストスピーカーとして登壇。数々のオフィスデザインを手掛けてきた経験を踏まえて、彼が考えるポストコロナのオフィスデザインについて語りました。

世界中が新型コロナウィルスとの戦いを余儀なくされ、彼はワーカーがオフィスに求めるものが確実に様変わりしているのを感じると言います。単に機能的であるだけでなく、そこで何をするのかがより重要になり、同僚とは単に同じ空間にいることではなく精神的なつながりを求めているのだと。 また一方でABW(Activity-based Working)も進んでいます。従来のオフィスは部署ごとに区切られ、その限られたスペースで作業するのが一般的でしたが、今やその区別や境界をつくる必要がなくなり、デスクからの〝解放″が自然な流れであることに気付いたと言います。 ABWによって働く人が何をする場所なのかによってオフィスはデザインされ、100%リモートワークも可能になり、ますます効率的に働くことができるようになります。

やがてオフィスは、チームでの共同作業やコミュニケーションの場となり、集中して作業を行うのは自宅やオフィス以外の場所になっていくことでしょう。 しかし一方で、同僚の存在の重要性も決して忘れてはならず、それは組織の一員であるという実感を持つことに他なりません。孤立感にさいなまれることのないよう、一定の頻度で同僚とコミュニケーションをとることはとても重要です。

またリモートワークにも慣れてきた人の中には、家賃が安く、リラックスしたライフスタイルを楽しめるエリアに引っ越す人などもいるようです。しかし日本の住居は一般的に狭いことも多く、仕事は家の外でやりたいと思う人も一定数存在します。 そんな流れを受けて、WeWorkが運営するような〝コワーキングスペース″も広がりました。が、もちろん数にも規模にも限りがあるので、スタッフが簡単に通勤できるサテライトオフィスを置くことを検討している企業もあります。

今後のオフィスデザインにおいて、彼は3つの重要な指針を提示しています。

  1. リモートワークの普及に対応できる、社内のインフラ整備。
  2. 柔軟性のあるオフィスであること。この先コロナの状況がどうなるのか、まだわかりません。様々なシナリオに対応できることが大切です
  3. 社員の新たな評価方法 これまでは出社することが当たり前だったので、オフィスにいることが重要でしたが、今後はパフォーマンスで評価することが必要です。

またコロナ禍において急速に広まったこととして、衛生的で安全な労働環境を提供することも非常に重要なポイントです。換気や空気清浄システムや除菌、フィジカルディスタンスなど、課題は他にも多数あります。

私たちはコロナによって多くの課題を突き付けられました。が、彼はこう言います。「デザインと働き方の変化によって新たなイノベーションを起こすことはできる。なぜならデザインとは、私たちが直面する様々な課題へのソリューションを提供するものだから。」と。

ブルックスが過去に手掛けた、オフィスの交流スペースの一例。雨の季節に咲くアヤメの花をイメージした中心には、模様の入った素朴なロープのコミュニケーションキオスクが置かれています。
Photo Credit:
Nacasa & Partners

クリストファー・ブルックス Christopher Brooks

国際デザイン事業本部長 デザインディレクター AIA(米国建築家協会所属)建築学修士
ホテル・マルコポーロ香港内ダイニングADD、バンダイナムコスタジオ本社等、米国・日本・アジアにおいてオフィス、レジデンシャル、リテール他幅広い分野で実績を積む。アディダスジャパン本社&ショールームでAsia Pacific Property Award 2015を受賞し、メットライフジャパン本社でHerman Miller Liveable Office Award、IDA Gold & Silver awards 2018を受賞。

Sustainable Japan by thejapantimes記事はこちら
https://sustainable.japantimes.com/roundtable/07

アーカイブ動画はこちらから。
https://youtu.be/HH7k9FaXeu8 

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