吉林省内の延边自治州、延吉市にある高級百貨店「延吉百貨大楼」は、コロナ禍においてもエリアトップの収益を誇り、延吉市を代表する百貨店です。
そんな延吉百貨大楼(Yanji Department Store)がフロア毎のリノベーションプロジェクトを始動。最初の改装フロアとなる6階フロアにおいてGARDEは基本計画、基本設計、実施設計、設計監修、照明設計を行いました。
6階は元々リビング関連商品のみで構成されていましたが、そこに建物と建物の間のブリッジに設置されていたキッズ関連商品売り場を移転することで、ファミリー層をターゲットとし、家族で訪れたくなるリビング、キッズフロアへの昇華へつなげました。
今回、フロアを大きな家と捉え「Resort House=大人も子供も 楽しみながらくつろげるリゾート感のあるみんなが集うおうち」というデザインコンセプトを立てました。そこに“包み込むような優しいフォルム(Soft Form)”、“自然を感じる素材(Natural Material)”、“温かみと開放感を感じる光(Sun Light)”といった構成要素とゾーン毎に異なるテーマを持たせることで、統一感がありながらも様々な”部屋”を行き来し、楽しく回遊している様な空間を構成しました。
全体を通し淡い色を使用することや、丸みのあるフォルムの採用、木を多用することなどで、構成要素である“包み込むようなやさしさ”や“自然を感じる素材”“あたたかみと開放感”を演出しています。
リビングゾーン、キッズゾーン共に、天井意匠の切り替えにより、寛ぎと温かみを感じるリゾート感のある家のような空間を構築しています。
リビングゾーンは温かみのあるフローリング、自然を感じるタイル、木と左官の素材感と風通しの良さを感じる意匠照明、一方キッズゾーンは特徴的な造形と淡いカラーリング遊び心のある天井デザインを採用したPOP UPな空間、天井から降り注ぐ葉を感じながらお散歩気分で歩く中庭をイメージした空間、照明をモチーフにした柱で明るくて温かな子ども用リビング空間、適度な仕切りと温かみのある木で作られた子ども部屋空間、陽の光のような柔らかな照明により屋外の遊び場の様なテラス空間とまさに、家族で集いたくなる空間が誕生しました。
■デザイナー紹介
山本 豊 Yutaka Yamamoto
デザイン事業本部 事業部長 シニアディレクター
百貨店等大型商業施設・環境デザイン及びディレクションを中心に活動。阪急うめだ本店建替えプロジェクトでは売場環境デザインを手掛け 西宮阪急では全体ディレクションをおこなう、銀座三越全館改装では3・4Fのデザインを担当。海外では ソウルのDOOTA全館改装、PARKSONジョホールバル新店などを担当。2019年には新宿伊勢丹5F Watchを担当、2021年開業の寧波阪急では統括デザインディレクターをおこなうなど 国内外の大型商業施設の経験を豊富に持つ。
若山晃久/Akihisa Wakayama
デザイン事業本部 大型デザイン1課 チーフデザイナー
国内の設計事務所にて、大型商業施設のデザインに従事した後、2021年ギャルドに入社。百貨店等大型商業施設を中心にデザインを行う一方、専門店等も多数手がける。
現在はアジアのプロジェクトを中心に幅広く活動を行っている。
■業務内容
基本計画、基本設計、実施設計、設計監修、照明設計
■物件情報
名称:延吉百貨大楼6Fリノベーション(キッズ、リビング)
正式開業:2021年11月20日
所在地:吉林省延吉市光明街608号
区画面積:6F 7,567㎡
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