GARDE for 『ハイアット ハウス 東京 渋谷』多様性の街 SHIBUYAでアート探訪

施設のプラスアルファの魅力を発見 「アート鑑賞」

ハイアット ブランドの1つ「ハイアット ハウス」の東京初進出となる「ハイアット ハウス 東京 渋谷」は、100年に一度ともいわれる渋谷駅中心地区の再開発プロジェクトにおける主要施設の一つ、「Shibuya Sakura Stage」内に2024年2月にオープンしました。GARDEは施設の共用部から客室全般の基本計画、基本設計、実施設計、設計監修、アートコーデイネート、調達設置、サイン基本計画を担当させていただいています。総部屋数は125室で全室内にキッチンやオーブンレンジ、食器やカトラリー、洗濯乾燥機を有しており、渋谷の街の多様性からインスピレーションを受けたアート等も配され、最新の施設で暮すように滞在する事が可能です。

今回はこの魅力的なプロジェクトからエントランスなどの共用エリアに配されているアートを中心にご紹介します。通り過ぎるだけではもったいない、アートミュージアムを訪れたかのような創造的で豊かな時間を体験できることでしょう。

まずは、3階のエントランスエリアにある、ラファエル・ローゼンダール作 「Into Time 14 06 06」。このレンチキュラー作品(見る角度によって異なる見え方をしたり、立体的に見える特殊なレンズ加工を施したシート)は、2013年にNYで発表以来シリーズ化されています。鑑賞者の動きに応じて変化を見せ、人が往来するエントランスエリアには最適な作品といえます。

そのまま右手のエレベーターホールに向うと通路の壁面にラグジュアリーブランド「ロエベ」とのコラボレーションで話題になっている作家fumiko imanoによる写真作品群が並びます。35mmカメラで撮影したセルフポートレートを切り貼りして作家自身が双子のように見えるフォトモンタージュのシリーズ作品です。下の画像では見難いと思いますが、彼女のどこか微笑ましくもファッショナブルな作品達を施設ご利用時にお楽しみ下さい。

また、2階のエントランスエリア側からエレベーターホールに到着すると、映画『浮雲』に登場する 「空」を再現したミクストメディア作品で、グーグルマップのストリートビュー画像を素材に電線やパノラマ画像のつなぎ目などの歪みを可視化した、姉弟ユニット「SHIMURAbros」の作品 「TRACE-SKY-Floating Clouds 08」に出会えます。見入ってしまい、エレベーターを乗り過ごさないようにご注意ください。

ロビーフロア16階に到着し、エレベーターを降りて正面に見えるマルチファンクションルームの前には、藤本由紀夫のオルゴール作品「V.-6-GREEN」「V.-9-GREEN」が2点並んでいます。
右側は9台のオルゴールがそれぞれ一音だけが鳴るようになっていて、左側は「星に願いを」などを奏でるオルゴール6台が内蔵されており、これらは鑑賞者がそれぞれのゼンマイを廻して同時に鳴らすことで一期一会のオリジナルメロディーを奏でる事が可能となっています。

次にロビーフロアをフロント方面に向かうと左手にロサンゼルスを拠点に活動しているアーティスト、デイヴ・ムラーによる作品が見えてきます。作家が所有する古いレコードのデザインから着想され、プライスタグや廃盤になったレコードのラベルまでが細かく独特の味わいをもって再現されています。日本の作家だけで構成されていないあたり、ここでも国際的な渋谷の多様性を感じ取れると思います。

デイヴ・ムラー作品の反対側に目を転じてみるとフロントカウンター上には、トレンド再燃中の三島喜美代のセラミック作品2点が風景に溶け込むかのように配されています。手前は、ダンボールに入ったコカコーラゼロを模ったセラミック作品「Box Coca Cola Zero 22-3」、奥には新聞をシルクスクリーンでセラミック素材に転写した「Newspaper 20-6」がエレガントかつ、冗談のような自然さで、気付かれたゲストだけに極上のアートエンターテイメントを提供しています。

さらに奥に進み、メインダイニング「MOSS CROSS TOKYO」の店内。 メキシコ拠点のガブリエル・リコによる刺繍作品は、緻密かつ大胆に描かれ、フォークロア的な懐かしさをも感じさせる、優しく洗練された作品です。

宿泊室があるフロアの各エレベーターホールには、被写体の表面に直接水性ペンで線を描いたものを撮影した石場文子によるシリーズ作品、「2.5」を展示。
三次元の対象物を二次元の線で閉じ込めてから写真撮影することで物体のユニークな存在感を楽しめる作品となっています。
該当フロアの利用者以外が自由に鑑賞出来るエリアではありませんが、複数回ご利用時に都度の楽しみとしたり、エレベーターを降りた際に自分の宿泊階であることをナッジ的に示す効果もあったり、とアートの持つ独自性をサービスに活かすスマートな仕掛けとなっています。

同じく石場文子による「2.5」シリーズ。2次元と3次元の間の不思議な感覚と前進色のオレンジを背景とすることで起こる距離の錯視感も魅力といえるでしょう。

泊まる、食事する、買い物をするだけではないパーソナライズされた文化的で豊かな体験に

ハイアット ハウス 東京 渋谷の魅力は、提供されるサービス以外にゲストが街全体と融合し、アートや音楽、ファッションなどのカルチャーと渾然一体となれるところにもあるのではないでしょうか。本稿では特にアートにフォーカスしましたが、それ以外のユニークな魅力を今後もご紹介していきたいと考えています。

■ハイアット ハウス
https://www.hyatt.com/ja-JP/brands/hyatt-house
■ハイアット ハウス 東京 渋谷
https://hyatthousetokyoshib
■GARDE公式
https://www.garde-intl.com/

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