ブドウ畑、地下貯蔵庫、ワインショップを超えて、現実と仮想の境界にある空間へ
多くの人々は、メタバースを私たちが日常生活とは異なる空間や疑似世界を探検するために作られた場所、と考えています。それは、いつでもどこからでもアクセスできる新しい場所であり、訪れる人々のネットワークをデジタル世界で拡張させる機会を提供しています。
今や、メタバースは芸術同様にワイン収集の情熱へ、新たな息吹を与えることができます。
メタバースでのワインコレクションは、エンターテイメント、知識・教育コンテンツが融合され、Cruratedというスタートアップによって、世界中のワイン愛好家に高く評価される名品をより手軽に入手できるようになりました。さらに、メタバース内で会員同士が交流できることで、ワインコレクターにとっては比類のない選択肢となるでしょう。
このスタートアップは、Googleの元ディレクターであるアルフォンソ・デ・ガエターノによって設立され、当初からNFT、ブロックチェーンなどデジタルツールを利用し、そこで販売されている全てのワインボトルのルーツや所有権を追跡、認証を行ってきました。
彼らはメタバースに展開させたデジタル領域で、ワインコレクター向けのエンターテイメント、知識、教育を融合させた新体験を提供し、ワインを購入するためのプロセスを支援しています。
メタバースでより充実したワインコレクションが実現
この方法は、物理的な場所を限定しない為、より広範な観客に対応が可能です。また、ワインの在庫リストを見て選ぶよりも、その歴史を更に楽しく学ぶことができます。
具体的には、Cruratedは訪問者がワインの歴史と起源を学び、ワインに関する疑問に答えるAIモデルを導入しました。また、このプラットフォームでは、メンバー同士がオンラインでプライベートなワインコレクションを見せ合うことも可能です。
ワインセラー空間のデザイナーは、イタリアの建築家であるジョヴァンニ・フランチェスコ・フラスキーノであり、メタバースでしか実現できない新しい美的価値を創造しました。
没入型ワインショッピングのための新技術
Cruratedのメタバースは、ハイパーリアルな没入型環境を演出するために、GARDE の製作したCOCO WARPと同じくUnreal Engine 5という仮想プロダクションツール上に構築されています。
結論として、メタバースは全てのワイン愛好家により豊かな体験をもたらします。
なぜなら、購入のプロセスから購入後まで、そのワインが歩んできた歴史をより深く学び、次のワインコレクションを選ぶ際の愉しみを大いに増幅させるからです。
ワインの楽しみ方は、物理的な世界で味わうだけではなく、ワインコレクションを充実させていくプロセスやその達成感も同じくらい重要です。
そして今や、誰もがメタバースでそれを簡単に行うことができるようになりました。
Image: Kym Ellis, Vinicius “amnx” Amano