2018年、日本財団は渋谷区と観光協会と協力して、「THE TOKYO TOILET」を立ち上げました。
このプロジェクトは、公共トイレの否定的な偏見を排除し、多様な利用者を認識する社会を実現することを目指しています。
渋谷区での17の公共トイレ改修プロジェクト
開始以来、渋谷区内の17か所の公共トイレを改修しました。16人の世界的に有名な建築家やデザイナーが参加し、その創造力で社会問題を解決し、トイレのメンテナンスも向上させることを目指しました。プロジェクトのフィロソフィーについて詳しく知りたい方は、こちらの広告よりご覧いただけます。
「THE TOKYO TOILET」に触発された受賞映画「Perfect Days」
ドイツの映画監督ヴィム・ヴェンダースが東京に招待され、各施設を視察しました。このプロジェクトを最初に紹介されたのは、ファーストリテイリングの社長である柳井浩氏でした。ヴェンダースは、高崎拓磨と共同で脚本を執筆し、2023年のカンヌ国際映画祭で上映された役所広司主演の映画を生み出しました。
日本では、トイレを常に清潔に保つことが重要であり、それが世界クラスの「おもてなし」のホスピタリティ文化の象徴ともなっています。
包括的なデザインを通じて生活の質を向上させる重要性
日本では公共トイレが至る所にあります。しかし、その多くは暗く、汚れや臭いが目立つという固定観念があるため、積極的に利用する人は多くありません。改修以来、日本財団が実施した調査によると、このプロジェクトによる効果が見られ、公共トイレのイメージが向上していると報告されています。
改修前と比較して、2か所の場所で公共トイレの利用が7倍、5倍に増加し、公共トイレへ嫌悪感を抱く人の数が30%からわずか3%に減少しました。
日本財団の目的は、魅力的かつ清潔な公共トイレの利用が周辺地域のイメージを向上させ、この施設自体が観光名所になり得ることです。
我々GARDEはデザイン会社として、公共スペースにおけるデザインの重要性を示し、それが社会に与える肯定的な影響を常に利用者目線で最優先に検討することが大切であると考えます。
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撮影:永禮賢 提供:日本財団
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THE TOKYO TOILETプロジェクト
日本財団が、多様性を受け入れる社会の実現を目的に実施する公共トイレプロジェクト。渋谷区全面協力の下、性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に使用できる公共トイレを区内17カ所に設置する。趣旨に賛同する16人のクリエイターが参画し、デザイン・クリエイティブの力で、新しい社会のあり方を提案する。トイレの設計施工には大和ハウス工業株式会社、トイレの現状調査や設置機器の提案にはTOTO株式会社の協力を得て実施。