アジアの文化を取り入れたインテリア

アジアの伝統と文化を伝えるアンティーク、アート、家具、ファブリックが、現代の空間を彩ります。

アンティーク陶器・磁器
中国

サザビーズのオークションで721,800米ドルで落札された明代の磁器。
※約7,900万円/2021年8月10日時点のレート 1$=約110円で計算。

中国のアンティーク陶磁器 は、その職人技、優雅さ、美しさで、趣味人に愛されてきた見事な芸術作品です。中国の骨董品の中でも、陶磁器は最も人気があり、高い評価を得ています。明代に作られた貴重な磁器は、江西省景徳鎮という磁器づくりが盛んな町で作られました。この地域でつくられたものは骨董品の中でも最も優れたものと言われています。

青と白を基調とした独特の壺や器には、日常生活や自然、その時代の描写などが緻密に描かれているのが特徴です。美術や古美術の専門家は、これらの作品を 「明朝の威厳と慈悲の心を伝え、讃える精巧な構成」と説明しています。サザビーズでは、明代の青白磁の熱心なコレクター達が、これらの貴重な中国美術品を見ることができます。サザビーズの中国陶磁器・美術品部門では、1,300点以上もの貴重な磁器や骨董品を収集しており、世界中の入札者は、専用のライブおよびオンライン・オークションを通じて、これらの貴重な作品にアクセスしています。

ボーンインレイ家具
インド

インドのボーンインレイは、インドのラジャスタン地方で生まれた古代芸術です。寄せ木細工のように緻密な手作業で作られたこの作品は、当初は王宮やマハラジャのためだけに作られていました。世代を超えて受け継がれてきたこの崇高な工芸品は、完成までに最低でも1ヶ月を要します。その緻密な作業は、まず断片化した骨をデザインに合わせて成形することから始まります。形成された骨は11つ表面に貼り付けられ、隙間を埋めるために、色のついた樹脂を流し込み表面を均一にします。そうすることで何世紀にもわたって培われてきた文化や芸術に命を吹き込むように、ストーリーを感じさせるデザインが生まれるのです。

ミニマリストや現代的な感覚の住宅が増えるにつれ、ボーンインレイ家具のデザインも進化しています。インドの家具や骨董品、美術品を集めたスペース「Artisera」では、ボーンインレイ家具をより現代的にアレンジし展示しています。現代の生活空間に合わせた合理的なデザインで、そのパターンは控えめで幾何学的です。アールデコの形やフォルムを取り入れたものが多く、同様に、色使いもフランスのモダンなインテリアを彷彿とさせます。ベッドサイドテーブル、コンソール、コーヒーテーブルなど、モダンなボーンインレイ家具は、デザインされた空間に多彩なセンスを与える印象的なアクセントになるのです。    

絹と帯
日本

日本の絹と帯は、 日本ならではの贅沢さを表しています。日本の富裕層は、金や宝石ではなく、着物や帯で自分を表現していたと言われています。西陣と呼ばれる美しく織られ刺繍を施された絹の織物は、古くから宝石のように扱われ、京都の宮廷の貴族たちが身に付けるものでした。またこの他にも、絹や着物、帯を通して語られる日本の豊かな歴史にまつわる逸話は数え切れず、古くは1,200年前まで遡りますが、これらは若手のデザイナーによって今も継承されています。

フランス人デザイナー、クレメンタイン・サンドナーが設立した新進気鋭のサステイナブルブランド「Mikan」は、彼女の日本のアンティーク着物への情熱から生まれました。2016年に日本に移住して以来、各地で中古のテキスタイルを収集し、美しい作品に再利用しています。クレメンタインは「日本でも、他の国と同様に、若い世代の民族衣装への関心がどんどん失われています。かつては着物を着ていた人々が近代化に伴い洋服を着るようになり、その結果、美しく貴重な手織りの布が置き去りにされてきたのです。Mikanはそんな捨て去られた着物や帯を、昔のように宝物として扱い、新たな命を吹き込んでいる」と言います。

Mikanはこれまでバッグを中心としたブランドでしたが、最近ではインテリアの分野にも進出しています。京都の工房には、珍しい着物や絹織物のパネルがいたるところに飾られています。それは風景画のように空間を明るくし、歴史を映し出す窓のようでもあります。クレメンタインは、「部屋を彩る作品を作りたいと思ったことがきっかけで、京都で行った展示会では、30本以上の帯をギャラリー内に吊るして、素材の美しさを楽しんでもらうことができた」と、目を輝かせます。

出典:
https://www.studiointernational.com/index.php/treasures-of-the-ming-dynasty-are-unearthed-in-jingdezhen
https://www.worldhistory.org/Ming_Porcelain/#:~:text=The%20Ming%20dynasty%20is%20rightly,countries%20from%20Japan%20to%20Britain.
https://www.history.com/topics/ancient-china/ming-dynasty
https://www.mikanbags.com/
https://www.sothebys.com/en/sell/sculpture/chinese-antiques
https://www.artisera.com/collections/bone-inlay-furniture
https://www.architecturaldigest.com/story/indian-craft-ones-to-watch
https://www.architecturaldigest.com/gallery/exotic-design-roundup-slideshow
https://www.fentonandfenton.com.au/pages/all-about-bone-inlay#:~:text=The%20time%2Dhonoured%20art%20of,of%20a%20three%2Dstep%20method.
http://craftsmartindia.blogspot.com/2016/02/the-timeless-art-of-bone-inlay.html
https://www.nytimes.com/2020/12/02/fashion/craftsmanship-kimono-silk-hosoo-kyoto-japan.html
https://www.nytimes.com/2014/12/26/arts/design/kimono-a-modern-history-at-the-met-tells-rich-stories-through-fabric.html
https://en.wikipedia.org/wiki/Jingdezhen_porcelain

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